相続人でなくてももらえる?「特別の寄与」とは?


妻は長年私の親の介護に努めてきましたが、最近、私の親が亡くなりました。妻の貢献に報いたいのですが、何か方法はないでしょうか。

「特別の寄与の制度」とは

相続人ではない親族が、相続人に対して、亡くなった方に対する貢献に応じたお金の支払いを請求できる制度を「特別の寄与の制度」といい、貢献に応じた金銭を「特別寄与料」といいます。

相続人「以外の」親族の貢献に報いる制度

妻が夫の親の療養看護や家業の手伝いをしていた場合など、相続人「以外の」親族が亡くなった方に対して貢献をしていた場合に問題となります。

特別寄与料を請求できるのは誰か

特別寄与料を請求できるのは「特別寄与者」であり、以下の条件が必要です。
①「相続人以外の」亡くなった方の親族であること(ex.息子の妻、娘の夫、(相続人ではない)兄弟・孫)
②無償で亡くなった方の療養看護その他の労務を提供したこと(貢献)
③亡くなった方の遺産が維持・増加したこと(遺産の維持・増加)
④②(労務提供)により③(遺産の維持・増加)につながったこと(因果関係)
⑤報いるのが相当と認められる程度の顕著な貢献をしたこと(特別の寄与)

特別寄与者は何を請求できるのか

貢献に応じたお金の請求ができる

相続人に対し、貢献に応じた額のお金を支払うよう請求できます。
請求する相続人は選択できますが、各相続人は特別寄与料の額にその相続人の相続分をかけた額のみ負担します。

特別寄与料の計算方法

法律では、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮するものとされています(民法1050条3項)。

平成30年の相続法改正で新設された新しい制度のため、具体的な運用はこれからですが、遺産分割における寄与分の算定方法が参考になります。たとえば、療養看護を行った場合では、介護報酬の計算方法を修正することが考えられます。

いずれにしましても、話し合いや裁判をスムーズに進めるためには、計算方法の根拠とその裏付けが必要になります。

権利行使期間に要注意!

家庭裁判所に対する調停・審判の申立てを
①特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月以内
相続開始の時から1年以内
にする必要があります。

最初は裁判所外での話し合いをするのが通常ですし、裏付けの調査・検討も必要ですので、時間的な余裕はあまりありません。

特別寄与料を請求する手続・手順

①特別の寄与を裏付ける資料を調査・検討します。
②合理的な計算方法を検討し、自身が請求する特別寄与料の額を算出します。
③相続人の調査をし、それぞれの負担分を算出します。
④請求する相続人をピックアップし、その相続人の負担分をお金で請求します。
⑤話し合いでまとまれば、合意書を作成し、お金を支払ってもらいます。
⑥話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に調停又は審判の申立てをします(権利行使期間内に必ず申し立てること!)。

まとめ

  • 平成30年の相続法改正により、特別の寄与の制度が新設されました。
  • 特別の寄与の制度とは、相続人ではない親族でも、亡くなった方に特別の貢献をした場合、相続人に対し、お金で支払うよう請求できる制度です。
  • 貢献の内容や計算方法について、合理的な根拠や裏付けが必要になります。
  • 金額の算定は、遺産分割における寄与分の計算方法が参考になります。
  • 6か月という短い権利行使期間があり、それまでに相続人の調査、裏付けの調査、特別寄与料の計算根拠の検討、相続人との協議、調停・審判申立ての準備を行う必要があります。

公平な相続をご希望の方は、ゲートウェイ東京法律事務所にご相談ください!
品川区の弁護士
遺産分割や遺留分における評価方法は、相続税申告における評価方法と異なります。評価方法自体を間違えてしまうと公平な相続にはなりませんので、ご不安な方は「ゲートウェイ東京法律事務所」にご相談ください。

【営業時間】
・月~金:9時~20時、土:10時~18時
・日祝:定休日
*電話相談の予約も受付中です。詳細はこちら

>お問い合わせフォーム(24時間受付)

お問い合わせフォーム(24時間受付)

ご相談・ご質問等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。担当者から24時間以内にご連絡いたします。