東京の自己破産で同時廃止になるのはどんなとき?

自己破産には、管財同時廃止という2つの手続があります。同時廃止は、管財と比べれば、費用も時間もかからない手続ですが、破産法上は、あくまでも管財が原則となっています。破産の申立人に選択権はなく、同時廃止見込みだったとしても、最終的には裁判所が判断します。とはいえ、できれば費用も時間もかからない方がいいと思うのは当然です。

今回は、東京で自己破産をする場合、同時廃止になるのはどんなときかについてお話しします。

自己破産とそのメリット

自己破産は、借金をなくすために裁判所で行う手続です。任意整理や個人再生は借金を支払っていく手続ですので、支払自体が難しい場合には、自己破産を選択します。

なお、自己破産に悪いイメージを持ち、できれば避けたいという方もいます。しかし、たとえば、任意整理で200万円の借金を返済し続けてもマイナスが減っていくだけですが、自己破産で借金自体がなくなれば、返済分を預貯金に回せますので、預貯金を200万円増やすのと同じになります。将来、収入が減ってしまったとしても、借金の返済がなく、逆に預貯金を確保できていれば、その預貯金を取り崩して生活費に回すことができます。

つまり、自己破産は、現在の返済の負担をなくすだけではなく、将来の収入減のリスクに対応できる方法でもあるわけです。イメージ先行で利用しないのはもったいないと思います。

管財と同時廃止

自己破産の手続には、大きく分けると管財と同時廃止の2つがあります。

  • 管財
    破産管財人を選任し、財産・負債などについての様々な調査や財産の処分を行う手続
  • 同時廃止
    破産管財人は選任せず、すぐに免責手続(借金をなくすための手続)に移る手続

自己破産は借金をなくす手続だと考えがちですが、
①破産手続:破産管財人が財産・負債を調査し、財産をお金に換え、債権者に分配する手続
②免責手続:残った借金をなくす手続
の2つに分かれています。
このうちの①破産手続を省略するのが同時廃止になります。

破産管財人を選任する管財では、破産管財人の費用を裁判所に納める必要があります(東京地裁では20万円必要)。また、破産管財人が様々な調査を行うため、同時廃止よりも長くかかります。

これに対して、同時廃止では、破産管財人を選任しませんので、管財と比べれば、費用も時間もかかりません。しかし、破産法216条1項では、以下のように定められています。

(破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定)
第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。

破産法216条1項

同時廃止は「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」の例外的な取扱いで、自己破産の原則はあくまでも管財です。

とはいえ、費用も時間もかからない手続にできるのであれば、そちらの方がいいのは当然といえます。問題は、どのようにすれば同時廃止で進められるのかです。

東京地裁破産部における管財の基準

管財になるか同時廃止になるかは各地方の裁判所ごとに基準が定められており、どこで自己破産をするかによって微妙に違いが出てきます(破産申立の書式も違います)。そのため、東京で自己破産をするのであれば、東京地裁破産部(民事20部)の基準を参考にするのが一番です。

以下の場合には、管財事件として破産管財人が選任されます。

  • 33万円以上の現金がある場合
    タンス預金も含めて、申立ての時に33万円以上の現金がある場合です。
  • 20万円以上の換価できる資産がある場合
    預貯金、保険、自動車、退職金(の8分の1)などの各資産グループの中で20万円以上のものがある場合です。
    たとえば、
    ・預貯金18万円、保険18万円→それだけでは管財にならない
    ・預貯金25万円、保険10万円→それだけで管財になる
  • 所有不動産に設定されている抵当権の被担保債権額が不動産処分予定価格の1.5倍未満の場合
    具体的な計算式はここでは省きますが、簡単に言えば、不動産の価格よりも住宅ローンの残額の方がかなり多いのであれば、資産価値なしとして考え、管財にはなりません。
  • 資産調査が必要な場合
    代理人の弁護士が調査しても20万円(現金は33万円)以上の資産を有していないことが明白ではない場合、管財になります。逆に言えば、資産があるかもしれないという疑念を持たれれば、実際にはなかったとしても、資産調査が必要であり、管財になるということです。

    なお、個人事業者の場合、通常、売掛金やテナントの保証金といった事業資産の調査が必要ですので、原則、管財になります。

  • 法人並存型の場合
    法人の破産では破産管財人が選任されますので、法人の代表者も、法人とともに管財になるのが通常です。
  • 免責調査が相当な場合
    ギャンブルや浪費などの免責不許可事由(借金がなくならない場合)が明らかで、その程度も軽微とはいえない場合です。
    もっとも、そのような場合には、破産管財人をつけて調査してもらった方が免責される可能性が高まりますので、最初から管財で申し立てることも検討すべきです。

あくまでも管財が原則であることは忘れずに!

費用と時間を考えれば、同時廃止で進めたいと思うのは当然です。しかし、選択権は破産の申立人にはなく、同時廃止見込みだったとしても、最終判断は裁判官が行います。あくまでも管財が原則であることは忘れないようにする必要があります。

ただし、無用に管財になるリスクを減らす方法はあります。どのような書類を捨てずに残しておくか、引落しや天引きをどのように解消するか、申立てまでの間に何をすべきかすべきでないかなど、多方面にわたって注意すべきことがありますので、なるべく同時廃止で進めたいとお考えの方は早めに弁護士にご相談ください。

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