円満な相続

争族を避け、本当の円満相続を実現する3つの方法

円満な相続

ゲートウェイ東京法律事務所の代表弁護士の髙橋と申します。

ご依頼の9割以上が相続に関する案件で、特に遺産分割、遺留分請求、使い込み問題に力を入れている「相続に特化した弁護士」です。

今回は、【形だけの円満相続ではなく、本当の円満相続を実現したい人】に向けたお話になります。

もめないことが一番大事な人であれば、ここから先のお話には価値がありません。申し訳ありません。

しかし逆に、形だけの円満相続で後悔したくない人、後悔しない「普通の相続」を実現したい人であれば、これを知っておくだけで全く違います。たった3つだけ、しかも、意外とカンタンなお話です。

ポイント1:決めつけは最終手段

1つ目のポイントは、決めつけは最終手段です。

相続の大きな特徴は、肝心の人が亡くなっているため、正確な事実関係がよく分からないことです。そして、よく分からないことは、憶測で決めつけてしまいがちです。

しかし、憶測で決めつけてしまうと、当然、相手の感情を害する可能性があります。冷静な話ができなくなると、たとえ法律のルールであっても素直に受け入れられず、相続がいたずらに長引きます。

決めつけでもめてもいいことはありません。決めつけるのは最後の最後、裁判を覚悟するまでは控えた方がいいです。

「自分だけが我慢するなんて納得できない!」と思うかもしれません。しかし、相続がいたずらに長引けば、調停を起こさざるを得なくなり、金銭的・精神的な負担も大きくなります。不動産があれば、管理費や固定資産税の支払も続けなければなりません。つまり、あなた自身が「実害」を被ります。

また、相手が落ち着いていれば、事実を話したり、資料を出したりするかもしれません。しかし、決めつけで感情がぶつかり合えば、そのチャンスも逃してしまいます。

泥沼の争族になるか、争族を避けるために妥協し、形式的な円満相続を強いられるかの二択になってしまうと、本当の円満相続は実現できません。自分のため自分のためと言い聞かせて、まずは事実関係を確認するという姿勢が大事です。

ポイント2:もめる前に交通整理を

2つ目のポイントは、もめる前に交通整理をです。

相続では、不動産の評価額、生前贈与、親への貢献など、様々な論点を話し合います。しかし、論点が多ければ多いほど、それぞれの言い分が重なり、話は複雑になります。

そのうち自分の言いたいことを言い合うようになり、収拾がつかなくなってきます。相続税申告の期限が近づいてくると、これ以上もめないことを優先し、納得できないまま遺産分割協議書にサインすることもよくあります。

しかし、それは形だけの円満相続にすぎず、ずっと火種としてくすぶり続けます。誰かが一方的に犠牲となる相続は、本当の円満相続とはいえません。

そのようなことを避ける方法として考えられるのは、早い段階で交通整理をし、順を追って話し合いをすることです。

たとえば、家庭裁判所の遺産分割調停では、話し合いが混乱しないように、「段階的進行モデル」という方法で話し合いが進みます。

具体的には、

①相続人の範囲

②遺産の範囲

③遺産の評価

④各相続人の取得額

⑤遺産の分割方法

の順番で、遺産分割の話し合いを進めていきます。それにより、何でもかんでも同時に言い合い、逆に何も話が進まなくなるということを避けられます。しかも、お上「公認」の進め方ですので、提案しやすい交通整理の方法です。

相手が応じないときは、それはそれで仕方ありません。しかし、調停になれば、やることは同じです。どうせ同じ流れになるのであれば、今やればいいですよね。

ポイント3:コミュニケーションを大事に

3つ目のポイントは、コミュニケーションを大事にです。

突然ですが、以下の相談ケースをどのように思いますか?相続の相談でよくあるケースです。

母が亡くなりましたが、相続の手続は同居の兄に全部任せていました。専門家と相談しながらやっているとは聞いていましたが、何をしているのかはよく分かりませんでした。

数か月後、いきなり遺産分割協議書が届き、戸籍や印鑑証明書と一緒に送るよう案内がありました。兄が多くの財産を相続する内容だったため、驚いた私は、兄に電話をし、なぜこんな分け方になっているのか問いただしました。

しかし、兄は、長男だからとか母の意向だとか言うだけで、私の言い分を聞こうとしません。そのうち、兄は電話に出なくなり、手紙でのやり取りを繰り返しました。

手紙では、お互いに感情的な言葉が並び、話し合いは全く進みませんでした。しばらくして、突然、裁判所から調停の申立書が届き、驚いて弁護士事務所に相談に行きました。

遺産の分け方を相談なしに決めてしまい、突然書類を送ってきた兄は、相談者に対する配慮が足りなかったといえます。相談者も相続人の一人には変わりないわけですから、ないがしろにされてしまっては面白くないでしょう。

一方で、兄に相続の手続を任せっきりしてしまった相談者も、相続への関わり方が薄かったといえます。自分の考えがあるのであれば、もう少し早めに話し合いをしておけば、いきなり遺産分割協議書が届くことはなかったかもしれません。

相続が争族となる原因の一つに、相続人同士のコミュニケーション不足があります。特に、書類や手紙のやり取りを中心にすると、正しい意図が伝わらず、誤解や疑念が生じがちになります。こじれる雰囲気になっているときは特に、電話や対面で話し合いをすることが大事です。

専門家に書類だけ作ってもらうと、それを相手に出すだけで済ませようとしますので、要注意です。書類を作る専門家に丸投げし、親族とのコミュニケーションをおろそかにしないようにしましょう。

相続の正しい理解が大事

この3つのポイントを知っておくだけでも、泥沼の争族になったり、争族を避けるために妥協し、形式的な円満相続を強いられたりすることを避けられます。しかも、心構えのようなものですので、話自体は難しいものではありません。

もちろん、さらに進んで相続のことを知っておくに越したことはありません。
交通整理しながら話し合いを進めるため、相続の知識をもっと身に着けたいという人は、

弁護士が答える相続問題Q&A

法律相談コラム

をご参照ください。もちろん、全て無料で提供しています。

あなたが形だけの円満相続で後悔せず、後悔しない「普通の相続」を実現することを祈っています。

もし話し合いの進め方で悩むことがあれば、遠慮なくご相談ください。一緒に解決策を考えましょう。

品川 相続 弁護士

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