「争族」を避ける!円満な相続を実現する3つの方法

相続は「争族」と呼ばれ、弁護士の取扱業務の中でも揉めやすい案件の典型ですが、どのようにすれば相続争いを回避したり緩和したりすることができるでしょうか。

単純に感情だけのせいにすると、声の大きい相続人をなだめ、面倒を避けるために妥協するしか方法がなくなります。面倒を避けるのも一つのやり方と言えばやり方ですが、後で後悔したり、将来の火種として残ったりしますので、面倒を避けるだけでは本当の円満な相続にはつながりません。

今回は、「円満な相続」を実現するために必要なことをお話しします。

円満な相続を実現する方法①:遺言、家族信託

相続において、相続争いを回避する方法として最も有効なのは、あらかじめ遺言や民事信託(家族信託)で遺産の分け方を決めておくことです。

各相続人には遺留分という最低限の取り分がありますが、法定の相続分より少ないですし、しかも、請求してきた相続人にだけ支払えば済みます。

また、これまでは遺留分減殺請求と呼ばれ、遺留分を主張した相続人と遺産を共同で所有することになってしまうため、遺言を作っても争いの種は残りました。 しかし、平成30年の相続法改正により、遺留分の制度は、遺留分侵害額請求というお金の請求に変わりました。金額の面では意見の相違が生じ得ますが、お金の支払いという遺産の分け方とは別の問題となりましたので、遺産に直接影響する相続争いを避けられるようになりました。

もっとも、遺留分はあくまでも「最低限」の取り分です。いわゆる「生前対策」をしていても、相続の時には財産の構成や評価額が変わることが多いですし、そもそも相続税と遺留分とでは財産の評価方法が違います。遺留分対策をしたから大丈夫だと安心していると、思いがけず遺留分を請求されますので注意が必要です。

円満な相続を実現する方法②:揉める前の交通整理

それでは、遺言や家族信託で遺産の分け方を決めていなかった場合はどうでしょうか。

この場合、遺産分割の話し合いをすることになりますが、過去にもらったもの(特別受益)や、逆に亡くなった方への貢献(寄与分)を相続分に反映させようとすると、どうしても相続人同士で揉めがちになります。それは前提とした上で、どのようにすれば円満な相続を実現できるかが問題になります。

そもそも、相続で揉める原因としては、以下のことが挙げられます。

①相続のルールと自分たちの想いにずれが生じること

②裏付けがなくても事実としてあった(と記憶している)のであれば、それを前提にした分け方が当然だと思いがちなこと

③肝心の人がすでに亡くなっていて事実関係がよく分からないため、裏付けがないところは憶測や疑心暗鬼で考えがちなこと

過去のケースを見ても、相続のルールを誤解したり、憶測や疑心暗鬼で相手のことを頑なに受け入れなかったりするため、お互い引くに引けない状況になってしまうという印象があります。

円満な相続を実現するためのもう一つの方法として考えられるのは、早い段階で裁判所の手続や考え方を話し合いに持ち込み、最終的な着地点からの逆算で交通整理をすることではないかと思います。 つまり、

まっさらな状態では自分の主張は100%正しいと考えていたとしても、裁判所の手続や考え方を基準にすればせいぜい20%程度だと分かれば、100%にこだわらず、50%でも納得せざるを得ないでしょう。重要なのは、お互い引くに引けない状況になる前に交通整理をすることです。

それでもダメな時は、どちらにせよ納得させるのは難しいでしょうから、早めに裁判手続に移った方がいいです。そして、早い段階から着地点からの逆算で交通整理をしておけば、事前の準備や検討が十分にできるため、裁判手続もスムーズに進めることができます。

円満な相続を実現する方法③:相続人同士のコミュニケーション

相続が泥沼の「争族」になる原因は様々ですが、相続手続を主導する相続人の一人に対する疑念や誤解が根底にある場合も多いです。相続人同士のコミュニケーション不足が原因とも言えますが、抽象的な感情論を言っても解決にはなりません。

抽象的な感情論ではなく、相続手続の方法論として言えることが2点あります。

それは、

①書類や手紙のやり取りばかりせず、電話や対面でしっかり説明する

②いきなり相続分を放棄させる書類や一方的に決めた遺産分割協議書を送らない

ということです。

相続が始まると、相続人同士、遺産の分け方をどうするかといういわば「利害関係者」になります。すでに揉め事に片足を突っ込んでいると考え、疑念や誤解が生じないように相続手続を進める必要があります。

書類や手紙のやり取りばかりだと、正しい意図が伝わらず、変にこじれることがありますので、相続手続を主導する相続人は、他の相続人に対し、必要に応じて、電話や対面で説明することが必要です。

また、兄弟の一人に相続手続を任せていたと思ったら、いきなり遺産分割協議書が届いたということがよくあります。役所や銀行にする細かい相続の手続と遺産の分け方(遺産分割)という相続の中身は全く異なりますので、手続の流れで中身まで作業的に決めようとすると、相手は困惑しますし、何か隠しているのではないかと疑いの目で見ることもあります。相手の立場になれば分かることですが、何の相談もなく勝手に遺産の分け方を決められたら、やはりいい気はしないでしょう。

相続手続と遺産分割とをしっかり分けて考え、遺産分割という中身の問題まで流れ作業で進めるのは避けた方がいいです。

事前の準備で円満な相続を目指しましょう

面倒を避けるために妥協し、早期の解決を目指すのも考え方の一つです。しかし、「ごね得」「分捕られた」などの遺恨が残り、将来別の形で揉め事が起こる場合があります。そうならないよう、揉める前の段階で、裁判になった時の着地点から逆算して論点と見通しの交通整理をし、一歩でも納得に近づけるようにする必要があります。

また、いきなり遺産分割協議書を送ったり、まともな説明をせずにハンコだけ押させようとするなど、遺産の分け方まで流れ作業的に進めるのではなく、事前にしっかりと話し合いをする必要もあります。

東京・品川の弁護士

初回の法律相談は無料!お気軽にご相談ください。

ゲートウェイ東京法律事務所では、より多くの方のお悩みを解消するため、初回の法律相談を無料で行っております。お電話でのご相談も可能ですので、お気軽にご相談ください。

相談予約の方法や対応時間などの詳細は、公式ホームページをご覧ください。

>お問い合わせフォーム(24時間受付)

お問い合わせフォーム(24時間受付)

ご相談・ご質問等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。担当者から24時間以内にご連絡いたします。