寄与分の計算

遺産分割で寄与分を計算する方法は?介護の時は?

寄与分の計算

先日、父が亡くなりました。現在、遺産分割の協議をしていますが、私はずっと父の事業を手伝い、また、介護をしていましたので、寄与分を主張したいと思っています。寄与分を反映させた遺産分割の提案をしたいのですが、自分の寄与分をどのように計算したらいいのでしょうか?

寄与分の決め方

寄与分とは、相続人が被相続人(亡くなった方)の財産の維持・増加に特別の貢献をした時、その貢献分を遺産分割に反映させる制度です。ごく簡単に言えば、被相続人に貢献をした分だけ相続分が増えることになります。

寄与分の決め方について、法律では、「寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める」とされています(民法904条の2・2項)。しかし、「一切の事情を考慮」するという総合判断となるため、相続人間で意見の相違が生じやすく、遺産分割で揉める原因にもなります。

そのため、寄与分を主張する時は、寄与行為の一般的な類型に応じて、合理的に説明できる方法で算定することが重要です。ただし、「一切の事情を考慮」するのが法律上のルールではありますので、一定の算定式で算出した金額にこだわりすぎず、目安として考える方がいいと思います。

寄与行為の類型については、以下の記事をご覧ください。

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家業従事型の寄与分

家業従事型は、被相続人の事業に対して労務を提供する場合の寄与分です。

労務報酬を基準に計算する方法

まず、提供した労務の報酬額をベースに算定する方法があります。一般的に考えられる算定式は、以下になります。

  • (寄与行為に対する労務報酬-生活費)×寄与の期間

労務報酬相当額は、家業と同種同規模の事業に従事する同年齢その年間給与額を基準とし、賃金センサス等の統計を参考にします。ただし、従事していた家業の収益性が著しく低い場合には、統計上の平均賃金を参考にするのは相当でないでしょう。

また、家業収入の中から支出されている寄与者の生活費を控除しますが、実費ないし家計調査報告書等の統計を参考にします。

貢献の割合を基準に計算する方法

長年家業に従事してきた場合には、労務報酬を基準とするよりも、財産形成に対する貢献の割合を基準にした方がいい場合があります。一般的に考えられる算定式は、以下になります。

  • 対象となる相続財産の額×財産形成に対する貢献の割合

貢献の割合を何パーセントと考えるかは問題ですが、労務提供の具体的な内容、財産形成に貢献した度合い、他の相続人の労務提供状況などから合理的に説明する必要があります。

療養看護型の寄与分

療養看護型は、被相続人の病気の看護や介護に従事した場合の寄与分です。

一般的に考えられる算定式は、以下のとおりです。

  • 報酬単価×療養看護の日数×裁量割合

報酬単価は「介護報酬基準」で算出することが多いです。もっとも、介護報酬は資格者(プロ)への報酬であり、親族である寄与者への報酬額とは異なります。それを調整するのが裁量割合で、70パーセント程度が平均と言われています。

なお、寄与者が被相続人の自宅に同居していた場合、寄与分から居住の利益分を差し引くのが通常です。ただし、同居の必要性や生活費の分担割合などの事情により、差し引く金額は変わります。

財産出資型の寄与分

財産出資型は、被相続人に対して財産ないし財産上の利益を給付する場合の寄与分です。金銭の贈与や不動産の無償使用が典型です。

もっとも、給付した財産等の全額が寄与分になるとは限らず、身分関係、給付財産の種類・価額、給付事情、給付期間などの事情を考慮した「裁量割合」という割合で判断されるのが通常です。

一般的に考えられる算定式は、以下になります。

動産ないし不動産の贈与

  • 相続開始時の価額×裁量割合

金銭の贈与の場合

  • 贈与金額×貨幣価値変動率×裁量割合

不動産の無償使用

  • 相続開始時の賃料相当額×使用期間×裁量割合

扶養型の寄与分

扶養型は、被相続人を扶養し、被相続人が生活費等の出費を免れた場合の寄与分です。

一般的に考えられる算定式は、以下のとおりです。

  • 扶養のために負担した額×裁量割合

もっとも、同居しており、家計の中から扶養していた場合、生活費と扶養のために負担した額を仕分けするのは困難です。そのような時は、生活保護基準や総務省の家計調査を参考にする場合もあります。

財産管理型の寄与分

財産管理型は、被相続人の財産を管理することによって、財産の維持形成に貢献した場合の寄与分です。賃貸不動産の管理をすることで管理費が浮いた場合や、賃借人を退去させることで不動産の価値を増加させた場合が典型です。

一般的に考えられる算定式は、以下のとおりです。

  • 管理費相当額×裁量割合

管理費相当額は、管理の内容によって異なりますが、財産管理を不動産管理会社などの第三者に依頼した場合の報酬額を基準とします。それに他の類型と同様、裁量割合を乗じて算定することになります。

寄与分の計算で重要なこと

遺産分割で寄与分を主張するためには、寄与分がいくらなのか合理的に説明する必要があり、そのために一般的な算定式があります。しかし、最終的には総合判断で決まりますので、形式的な計算結果から一歩も動かないのではなく、様々な事情を加味し、柔軟に調整することが重要です。

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